宮脇賣扇庵に別注し、オリジナルの白漆の扇子を作りました。


この扇子のコンセプトは、私たちのリアルなシーンにぴったりのセミフォーマルな扇子。

宮脇賣扇庵と綿密に打ち合わせをし、専門の方からのアドバイスを仰ぎながら、宮脇賣扇庵にはない狙いどころの商品、でも格や決まりに則った扇子を目指しました。

黒い塗の親骨に金銀の地紙の扇子は、第一礼装(黒留袖)以外には重すぎます。
(註釈:私共和装の業界の間では、格調高いとか仕事量が多いという意味で「重い」と使います)

多いシーンと着用する着物の組み合わせは
・お子様のセレモニーに訪問着や付下げで付き添い
・ご友人やご親戚や同僚の結婚披露宴に訪問着や付下げで出席
・写真館で記念日に家族写真
・歌舞伎の襲名披露公演や初芝居、團菊祭や顔見世へおしゃれしてお出かけ
・仲間たちとホテルのアフタヌーンティーやフレンチへ
・身内の叙勲や関係者の○寿のお祝いの会などに訪問着や付下げで臨む

こういった、おめかしして臨む、お目出度さや華やかさのあるシーンに、胸元に1本扇子が挿してあると、着姿が締まり、心も晴れ晴れとしますね。

ここで大切なのが格です。

格を添える扇子とは、まず地紙に季節の絵などが描かれているものは「おしゃれ用」となってしまいます。
かと言って、金銀ベタ塗りは絶対的に重い、too much。

親骨の蒔絵は、色蒔絵ですとこれも例えば吉祥文様だったとしても、「おしゃれ用」となります。

高蒔絵(金だけ)で入れるか、蒔絵は何も無いものが品格が出ます。

これらを踏まえて、地紙には霞ぼかしに金砂子。

ぼかしは、片面は多色ぼかし。
片面はベージュです。

広げて仰ぐものではありませんが、閉じていても、この地紙の色柄は結構見た目に影響します。
この地紙にすることで、紋のついていない付下げでお芝居へ、くらいの趣味のシーンにも挿していただけます
逆に、片面の地紙をベージュのぼかしに金砂子の方をお身体の前面に見える向きで挿していただきますと、より格調高いシーンと着物…例えば叙勲や色留袖などのときには、金銀地紙に準じた格調を損なわない雰囲気となります。

白漆の無地の骨でも、今回の製作コンセプトや格のゾーンには合いますが、やはり私たちは、少しの可愛さや使用時のときめきが欲しいところ。

季節も限定されないものがよろしいですね。

そこで、松藤のデザインと、松竹梅のデザインの高蒔絵で2種製作することにしました。
先端が丸いカットなのもこだわりです。

こちらは、大変反響を呼び、現在欠品にて追加生産中です。
ご予約は随時承っております。
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